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失敗しない家づくりの要望や希望の伝え方

2022.04.20

1. 注文住宅づくりの要! 大切なのは要望を正確に伝えること

家を建てる際、最初の段階で大切なことは依頼者と設計者の情報共有です。設計者が依頼者にどのような家を建てたいのかというご要望を聞きとることを「ヒアリング」といいます。家族構成や希望の間取り、デザインのイメージなど、ヒアリング内容をもとにプランを作成していくため、とても重要なポイントになります。

注文住宅の場合、依頼者から家のイメージやデザイン、希望の間取りなどを聞くだけでは正直、ヒアリングとは言えません。それだけの情報で家を建てるのなら、建売住宅を販売するのと変わりないからです。

自由設計の注文住宅にしかできないこと、それは依頼者やそのご家族に合わせた「世界でたったひとつの家」をつくることです。現在の生活スタイルや住環境での困りごと、趣味や理想の休日の過ごし方、将来設計などは家族によって異なります。そう考えると、家族の数だけ、家のカタチがあってもいいのかもしれません。

2.どうすれば要望が伝わりやすいか

ヒアリングシートの一例

2-1. 現在の状況を伝える

現在、住んでいる住宅に対する住みにくい点や、もう少し間取りがこうだったら便利だったのに! などのご意見を聞くことができれば、改善できる提案をしやすくなります。

「家族全員のライフスタイル」や「住まいに対する価値観」も教えてください。

「朝起きてから家を出るまでの流れ」や「帰宅してからの過ごし方」「趣味や休日の過ごし方」など、どんなことでもよいので担当者に伝えてください。日頃のライフスタイルには、よりよい家づくりのヒントが隠れているはずです。

また、弊社には依頼者にご要望や現在の状況などを書き込んでもらう「ヒアリングシート」というものがあります。ご記入いただいたシートを見ながら会話を進めていくうちに、依頼者が思ってもいなかったような不便な点や問題点が見えてくることもあり、改善策などを提案することもできます。

2-2. 写真などを用意する

家づくりの打ち合わせをしていると、「開放的なリビングがよい」と言うように抽象的に要望を伝える方がいらっしゃいます。

しかし、人によって「広いリビングがほしい」「天井の高いリビングに憧れている」「リビングに吹き抜けがほしい」「庭に面していて、開け放せる掃出し窓がほしい」というように受け取り方が違うので、本来の要望が伝わらないかもしれません。

要望が間違って伝わってしまうと、「希望していない間取り」になってしまったり、「実現することは無理」というように、要望を実現できなくなることもあります。

自分たちの希望が叶うように、具体的に要望が伝わっているかの確認を行いましょう。

その方法のひとつとして、気に入った画像を見つけたら「切り抜き」や「コピー」をしてスクラップブックを作ってみることをおすすめします。家づくりの情報収集をしていると、「住宅雑誌」や「インターネット」で自分のイメージにピッタリな「家の外観」や「内装」などの画像を目にすることがあるはずです。そして、その画像の何が気に入ったかも書いておいて下さい。「百の言葉」よりも「一枚の写真」の方が正確に多くのことを伝えることもあるのです。

また、絵の得意な方は外観やデザイン、間取りなど、自分のイメージするお家を描いてみるのもよいでしょう。絵を描くのは苦手…という方は、絵でなくても構いません。この部屋とこの部屋は隣同士、リビングと洗面所はつながっていてなど、図式化することで分かりやすくなります。それらを設計者に見せることでイメージが共有でき、意思疎通がよりスムーズになります。

お客様が描いたイメージ図

2-3. 優先順位をつける

依頼者のなかで優先順位をつけておくことも大切です。例えば敷地面積が限られている場合、「広い部屋がほしい」「たくさんの部屋がほしい」この2つの希望を叶えることは難しくなってきます。部屋の広さ、それとも部屋数を重視するのか、ご家族での話し合いも必要になります。

設計者は、依頼者の希望をすべて叶えた家をつくりたいと思っています。ですが、敷地面積や立地条件、予算などにより、どうしても難しい場合も出てきます。難しい条件があるなかで最大限、依頼者の希望に沿ったプランを提案していくのが設計者の腕の見せ所です。ですから理想やご要望は、恥ずかしがらずにたくさんお話してください。お家づくりは、依頼者と設計者の共同作業、一緒につくりあげていくものなのです。

3. まとめ

家づくりは、家族のことや暮らしを再発見したり、将来を見つめるきっかけになるかもしれません。なかには、よい意味で当初、自分がイメージしていた家とはまったく違うスタイルになったという方もいらっしゃいます。

家を建てたいと思っているけど、なにから始めたらいいのか分からないという方、お気軽にご相談ください。私と一緒に、理想の家や暮らしの未来図を描くことから始めてみましょう。

愛媛で失敗しない家づくりなら、仙波完太建築研究室