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注文住宅における快適な住まいづくりに欠かせない7つの条件

2022.06.03

今回は快適な住まいづくりに欠かせない条件についてまとめてみました。

1. 断熱性と気密性を高める

快適な家をつくるためには、断熱性の高さと気密性の高さ、この両方を兼ね備えた家づくりがとても重要です。住宅においての「断熱」とは、熱を断つという言葉の通り、夏は涼しく、冬は暖かく暮らせる状態のことです。外の気温に関係なく、家の中では一年中快適に過ごせるのがやはり理想ではないでしょうか。

また住宅においての「気密」とは、部材同士のすき間をない状態にし、家の中と外の空気の出入りを少なくした状態のことを言います。断熱性は高くても気密性が低い場合、壁や床をしっかりと断熱していたとしても、すき間から風が入ってくると快適な室温を保つことができません。それに気密性が低いと、断熱材に悪影響を及ぼし、家が傷みやすくなります。断熱効果と気密効果が合わさって、快適な家がつくれるのです。

断熱・気密効果の高い家は、省エネ住宅でもあります。光熱費の削減が期待できるのはもちろん、環境にやさしい暮らしにもつながります。

2. 換気しやすい家づくり

料理やペットのにおいなど、室内の空気はいつの間にか汚れてしまっているものです。換気がうまくできていないと、不快に感じるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。2003年から建築基準法では、原則としてすべての建築物に24時間換気システムなどの設置が義務づけられました。これは家の中の空気を適切に循環させ、家の中の汚れた空気を外の新鮮な空気に入れ替える計画的な換気システムのことです。換気をスムーズに行うには、1でお伝えした気密性も重要です。気密性の低い家だと、すき間から出入りする空気の流れに邪魔されてしまい、うまく換気ができない場合もあります。換気の面からも気密性の高い家にした方がよいでしょう。

3. 風通しをよくする

快適に暮らせるかどうかを左右する風通し。風通しの悪い家だと、湿気がこもりやすくなり、カビが発生する原因にもなります。一方、自然の風が入り込む風通しのよい家では、心地よく暮らせるのはもちろん、夏場、エアコンの使用を少なくすることもできます。環境や場所、家の向きによって、風の吹き方は違います。その点は設計者におまかせし、よりよい風の通り道を考えてもらいましょう。ただし、風の通り道に家具を置くなどして風通しを悪くしないように気をつけましょう。

4. 採光を考えた設計にする

家の中への光の入り具合、家のどの部分が南側を向いているのかによって、住み心地は違ってきます。南向きにリビングがあれば、家の中はほぼ一日中、とても明るい雰囲気になります。ですが、南側の窓の配置にはプライバシーへの配慮も求められます。南側が道路に面していたり、隣の家が近かったりすると、大きな窓を設けることに不安を感じるかもしれません。プライバシーが気になる場合は窓を高めに設置し、視線が入らないような工夫も必要です。

また南側や西側の窓から直射日光が入る場合、冬場は暖かく過ごせますが、夏場は室内の温度が上がり、エアコンの効きが悪くなってしまいます。太陽の位置や風の流れなど、自然の力を活かしつつ、季節の変化に対応した家づくりが求められます。

そのほか、光が届きにくい場所にはトップライト(天窓)をつける、吹き抜けから光を取り入れるなどの方法があります。とくにリビングに吹き抜けがあると、明るく開放的な雰囲気になり、ゆったりとした空間をつくりだすことができます。また部屋の中に中庭をつくったり、家の一部が屋外になっているインナーバルコニーを設置することも有効な方法です。

それぞれメリット、デメリットがありますので、設計者とよく相談をして生活スタイルに合わせた採光を考えましょう。

5.遮音効果の高い家にする

毎日の暮らしの中で意外と「音」が気になるという方も多いものです。基本的なことですが、交通量の多い場所、近くに駅や線路がある場所は便利ですが、にぎやかな場所と言えるでしょう。静かな空間でくつろぎたいと思っている方は、土地探しの時から気にしておく必要があります。そして家を建てる際にも、できるだけ外部の音が入ってこないよう、また自分の家からも音がもれないようなつくりにしたいということを設計者に伝えておくとよいでしょう。

6.自然素材を取り入れる

自然素材の家なら、より快適な暮らしが手に入りやすくなります。自然素材といってもいろいろありますが、例えば床材を杉やヒノキなどの無垢材にしたり、壁を漆喰で塗ったり、珪藻土を使用するなどの方法があります。無垢材の床は肌触りがよく、また漆喰や珪藻土の壁は調湿や消臭効果も期待できると言われています。自然素材の家を建てるとなると、多少割高になったり、作業に時間がかかるというデメリットもありますが、快適な空間で暮らしたいと願うのなら素材にこだわるのもひとつの方法です。

7. 生活動線をイメージした間取りにする

生活動線がスムーズだと、毎日の暮らしもより快適になります。家事のしやすさを考えた「家事動線」、通勤・通学の準備がスムーズにできる「通勤・通学動線」、来客者と生活の動線が重ならないようにする「来客動線」などがあります。

なかでも最も気にしたいのは「家事動線」です。共働き家庭が増えていることもあり、いかに効率よく動けるかが重要なポイントとなります。料理、掃除、洗濯など、毎日の生活パターンをシミュレーションし、どのように動けばより効率的になるのか、設計士と話しながら進めていく必要があります。また、家具の配置によっても大きく左右されますので、どのような家具をどのような場所に置きたいかなども、設計段階から伝えておくことをおすすめします。

まとめ

快適な家を建てるためには、まずはご家族の間で「どのような快適さ」を求めるかを話し合っておくとよいでしょう。少しでもみなさんが快適な毎日を送れるよう、ご家族に応じたプランを提案するのが設計士の役目だと思っています。自分たちらしいオーダーメイドの注文住宅を建てたいと思っている方、どうぞお気軽にご相談ください。