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注文住宅を建てる際、できるだけ早い段階で「階段の設置場所や種類」について考えておきましょう。階段は上下階に影響するため、生活動線にも関わってきます。また、階段の形状や種類によって、部屋の雰囲気はずいぶん変わり、デザインすることでインテリアにもなります。今回は、階段を設置する際に考えるポイントについて紹介します。
1.階段の設置場所
一般的に階段は、大きく分けると「玄関ホール」か「リビング」に設置されることが多いです。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ライフスタイルによって選択しましょう。
1-1.玄関ホールに階段を設置

玄関ホールに階段を設置すると、リビングなどの生活スペースを通らず、玄関から直接2階の部屋へ向かうことができます。例えば、子どもが友達を連れてきた時、リビングを通らず2階の子ども部屋へ直接行くことができます。また、リビングの生活音や料理のにおいが2階に広がりにくくなるという利点もあります。
一方、子どもの様子を把握しにくくなる、リビングから2階に行く動線が少し長くなるというデメリットがあります。
1-2. リビングに階段を設置

リビングに設置した階段のことをリビング階段と呼んでいます。階段とリビングのデザインのテイストを合わせることで、おしゃれな空間をつくりだすことができます。
リビング階段の場合、リビングやキッチンから2階に行けるため、家事動線がスムーズになります。また、2階に行くときに必ずリビングを通るため、家族とのコミュニケーションを取りやすいというメリットもあります。
一方、上下階がつながるため、冷暖房効率が低くなるというデメリットがあります。家の断熱性・気密性を高める対策が必要となります。
2. 階段の形状の種類
階段の形状は大きく、直線階段、かね折れ階段(L字階段)、まわり階段(U字階段)、らせん階段の4つの種類に分けられます。それぞれの特徴により、メリットやデメリットがあります。
2-1. 直線階段
上下階を一直線につなぐ、まっすぐな階段。シンプルな形状なのでコストダウン効果が期待できます。途中に踊り場がないため、足を踏み外すと、一番下まで落下しやすいというデメリットがあります。手すりを設けるなど、安全性への配慮が必要になります。
2-2. かね折れ階段(L字階段)
途中でL字型(90度)に曲がっている階段。建物や部屋の壁に沿って配置しやすいのが特徴です。直線階段と折り返し階段の中間のような形状ですが、直線階段よりも面積を抑えることができ、折り返し階段のように階段下に収納を作りやすいという特徴があります。足を踏み外した時に途中で止まる可能性が高いので安全性も高めです。
2-3.まわり階段(U字階段)
踊り場を拠点に途中で180度折り返している階段。傾斜がゆるやかで、転落の際も途中で止まりやすく、安全性が高いのがメリットです。階段下に収納スペースやトイレを設置するなど、空間の有効活用もできます。ただし、大型家具を搬入しにくいケースがあるので注意が必要です。
2-4.らせん階段
柱を中心に、らせん状の踏板を配置した階段。階段自体のデザイン性が高く、おしゃれな空間を演出できるのが魅力です。ただし、踏板の面積が小さく、中心に行くほど足を踏み外しやすくなります。また、家具を運びにくい、デッドスペースができる、コストが高くなるというデメリットもあります。
3.階段のデザインの種類
階段のデザインは大きく、箱型階段とストリップ階段の2種類に分けられます。
3-1. 箱型階段
箱型階段は、箱を積み上げたようなデザインで、ボックス階段と呼ばれることもあります。
箱型階段は、階段下のデッドスペースを収納やトイレなどに有効活用できます。また、周囲を壁で囲むことが多いため、階段を目立たせずスッキリとした空間になります。
一方、壁の量が多くなるため、階段や周囲のスペースに圧迫感が生まれやすいというデメリットがあります。
3-2. ストリップ階段
ストリップ階段は、骨組みと踏板のみで構成されており、開放的な空間を生み出します。階段自体がおしゃれなアクセントになり、空間のデザイン性を高めてくれます。ストリップ階段の下は、デスクスペースなどに活用しやすいのもメリットです。ただし、階段にすき間があるため、小さな子どもや高齢のご家族には、ケガや落下の心配があります。また、すき間から物が落下して、下の人に当たってしまうリスクもあり、安全面には考慮が必要です。

場合によっては、ササラ(※)をスチールなどにすることで、必要な柱をなくし、デザイン性、空間の利便性を高めてくれます。
※ササラ:階段の両側にある踏み板を支えるための部材
4.階段の素材
階段でよく使われる素材には次のようなものがあります。
4-1.木の階段

木の階段はナチュラルでやさしい、温かみのある空間になります。
4-2.スチールの階段
スチールの階段はクールな引き締まった空間になります。また、階段の一部、あるいは手すりのみスチールにするなど、木とスチールを組み合わせたデザインにすることもできます。

まとめ
「階段」は、生活のしやすさ、空間全体のテイストを決める大事なポイントになります。後まわしにせず、家づくりの早い段階で考えていただくのがおすすめです。
弊社では、家づくりが初めての方にも分かりやすく、設計士が家づくりの進め方をお伝えします。その後、丁寧にヒアリングをした上で、さまざまなプランを提案していきます。まずは、お気軽にご相談ください。